2011年11月:カテゴリー

風の町、シュティプ

 風の町、シュティプ。

 10月からマケドニアのシュティプという町の大学で日本語を教えることになりました。
マケドニアは私にとって初めての国、当然シュティプは初めての町です。
町の様子や大学での様子をお知らせできたらと思います。


 シュティプは、マケドニアの首都スコピエから車で約1時間半のところにあります。マケドニアの中心にあり、地元の人達は「バルカン半島の中心」にあると言います。周囲が小高い丘に囲まれた小さな町です。スコピエからシュティプに向かう間、車窓から幾つかの町を見ましたが、大抵は荒涼としたとでも言うのでしょうか、何もない乾いた畑や丘が連なった景色でした。収穫がほとんど終わった頃だったので、日本の田舎の風景とは大きく異なることに、とても新鮮な印象を受けました。しかし、来年の春や夏には麦や向日葵、綿花、そしてぶどうにおおわれた、緑あふれる大地を見ることができることでしょう。とても楽しみです。

 この町にあるGoce Delcev(ゴツェ・デルチェフ)大学は、2007年に創立されたばかりの新しい国立大学です。私が所属する言語学部のキャンパスは町の中心から少し離れたところにあって、学生やスタッフはミニバスやタクシーを利用して通学・通勤しています。この大学に東洋の言語が入るのは初めてとのことです。
 日本語クラスは町の中にあるITセンターの教室を借りて、10月18日にスタートしました。日本語はオプショナルな科目、つまり、課程外の教科なのですが、正式に登録して試験に合格すれば単位を取得できます。初めての開講であり、課程外ということもあって、学習者は登録希望者と単に聴講希望者との混合です。課程外の科目は週に1回の授業が多いようでしたが、日本語は週2回の授業を始めました。教師の私としては3回を希望したのですが、学生に負担がかかりすぎるということで、2回となりました。


 日本語を受講している学生は学年が様々というのは当たり前なんですが、年齢はもっと様々なのです。こちらでは大学の新卒者でないと、なかなか仕事がないらしく、一旦社会人経験のある人が再び大学に進学しているケースが少なくないような気がします。大学生の受講生は20歳の大学生から20代後半、30代前半の学生もいます。パートタイムの仕事をしながら、母親業をしながらという学生もいます。

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シュティプの町を紹介します。小高い丘に囲まれた町だというのは以前に書きました。その中の一つの丘の中腹にはレンガ造りの教会(右の写真)が、そして頂上には14世紀ごろの城壁の一部が残っています。教会はそれほど古くはないのですが、社会主義の時代になってからは使用されていません。丘の頂上までは500段程度の石段が続いています。ちょっとした散歩には打ってつけです。

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 町の中央に広場があります。そこにはアレクサンダー大王の像(右の写真)が建てられているのですが、何と、少し脚が短いのです。学生の話によると、寄付で建てられたそうなんですが、お金が足りなくなって短くなったとのことです。笑える話ですが、真偽のほどはわかりません。何となく親しみを感じてしまいます。
 
  マケドニアの正式なクリスマスは、年が明けて1月になってからなのですが、それでも年内のクリスマスが近づいてきて、町の様子も少し変わりました。日中、大きな買い物袋を手にした人をよく見かけけるようになりました。街路樹や通りはイルミネーションで覆われ、これまでの夜とは違った雰囲気が味わえます。この小さな町にふさわしく、とても控えめです。静かで落ち着けるものです。
 
 大学での日本語の授業は、来週で今学期が終わりになります。あとは長い冬休みと期末試験です。熱心な学生とそうでない学生がいるのは、どこでも同じでしょう。わずか二ヶ月半ほどの授業ですが、両者の差はとても大きいのです。語学は日々の積み重ねだというのがよくわかります。

 今日で今学期の授業が終わりました。冬休み前ということで今日の授業は日本映画(DVD)の鑑賞。学生に三種類の映画から選ばせたところ、『千と千尋の神隠し』を選びました。もちろん、好評でした。初心者の学生にも聞き取れる言葉があったようです。次回、何を見たいかアンケートを取ったところ、一番多かったのはホラー映画でした。私としてはちょっと驚きです。何がいいか、検討するつもりです。
 
 シュティプの町は今日は雪に覆われました。今シーズン初です。ほぼ一日中降り続けていました。雪の少ない町から来た私は、初雪でこんなに降るとは想像できませんでした。

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 前回のブログから1ヵ月以上が過ぎました。2012年の2月になっています。東ヨーロッパは大寒波に見舞われて、寒さで亡くなった方も少なくないようです。幸いなことに、ここシュティプはそれに比べたら大変ましなようです。雪もそれほど多く降らないようです。周りに高い山がないせいかも知れません。首都のスコピエはもっと雪が降るようです。
 大学は長い冬休みが終わって、前期の期末試験になりました。日本語の試験日程を決めて発表したところ、学生から変更希望のメールがきたようです。その試験日とその前後に他の試験が集中しているのが理由です。日本語は始まったばかりですし、課外課程でもありますから、学生に譲ることにしました。是非とも頑張って良い点を取ってもらいたいという思いもありますから。

   「ジャパニーズ・アップル」
 前期の期末試験も終了し、いよいよ後期(Second Semester)の始まりです。とはいっても、実は大学では前期の試験中に後期が始まりました。前期の試験に合格しないことには次のステップの講義を受けられないことになっているのに、試験終了前に後期スタートです。日本のシステムとは異なるようで、理解困難です。日本語コースは、前期の成績発表してから後期のスタートです。
 後期が始まる前ですから、日常生活をお知らせします。
 「ジャパニーズ・アップル」って、何かご存知でしょうか。実は、「柿」のことなんです。今はシーズンオフですが、秋にはよく店頭で見かけました。それが「柿」のことだと知った時には驚きでした。この町では、毎週金曜日に大きなマーケットが開かれます。主に野菜と穀物類、そして日用品も少しあります。大勢の人が一週間分といってもいいくらいの野菜などを買い込んでいます。私も野菜や果物を買出しに行きます。スーパーや小売店で見かけるものより新鮮で安いのです。日本で買うように、種類の多さは望めません。質も違いがありません。鮮度と発育の違いがあるくらいです。でも、値段はとても安いのです。生産者は大変だろうと思います。工業製品は農産物に比べると割高な気がします。それほどお得感のないものもあります。それでも、輸入品の中には、免税店で買うより安いのではと思うものもあります。価格設定の不思議な点です。もっとも、これは小さな田舎町での話で、大都会ではそんな風にはいかないようです。先日、地元の新聞記者の人とお会いする機会がありました。その人の話では、ここでは、平均月収(一人)は200ユーロぐらいとのことでした。老後の引退生活に、マケドニアはいかがですか。

  「マケドニア料理」
 先日友人がランチに招待してくれました。日頃私が、マケドニア料理は「脂っこい」「塩辛い」「甘すぎる」といった感想をもらしていたので、伝統的なマケドニア料理でふるまってくれました。



 写真左は「トゥルリタヴァ」というもので、色々な野菜と豚肉、牛肉の料理です。味付けは塩、スパイスとオリーブオイルです。
 写真右の奥にあるのは「ピンズ―ル」という名前で、トマト、ナス、そしてパプリカを使ったお料理です。手前のものは「ショプスカ サラダ」で、「シーザー・サラダ」のことです。どれもとても美味しくて、私のマケドニア料理に対する悪しきイメージを変えてくれるものでした。ちなみに友人は、結婚前にお祖母さんからお料理を教わったそうです。
 多くの家庭では、自家製のジャムや果物のシロップ漬などがあります。別の機会にあるお家へ伺った時、花梨や青い無花果のシロップ漬のデザートを美味しくいただきました。どちらも大変な手間隙がかかるそうです。

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 美味しいお料理にお酒は欠かせません。アルコール度数の高いものがありますが、私はワインがお気に入りです。マケドニアはワインを輸出している国で、色々な銘柄があります。味もなかなかで、しかも信じられないような安さです。シュティプでは瓶入りのワインだけでなく、ペットボトル入りのものもあります。それも、1リットルとか、2リットルの量り売りがあるのです。写真は1リットル入りの赤ワインです。ガソリンを給油するような機械でペットボトルに入れてくれます。ビールもペットボトル入りがあります。

「桜」
 先週ぐらいから、気温が急に上がり、恐らく日本より暖かいのではないでしょうか。そのせいか、街の中や、散歩コースの丘に、桜の花が咲き誇っています。色は白いものや、淡いピンク、そしてピンクそのもので三種類くらいでしょうか。もう満開の木もあります。あいにく写真はありません。お見せできないのが残念です。デジカメが故障中なんです。桜を見て嬉しくなるところに、日本人であることを再認識します。日本で見る桜に比べて、多少、華やかさや風情に欠けるような気がします。恐らく、自然のままにされているせいでしょう。花をつけていない枝がそのまま」放置されています。花盗人になりたい気持ちは抑えました。

  「スコピエの桜まつり」
 先週、久々にスコピエまで出ました。スコピエまではバスで1時間半の道のりです。前回そのバスに乗ったのは1月の終わりで、その時には大地は薄っすらと雪に覆われていました。それからおよそ三ヶ月が経ちました。広い大地は柔らかな緑に覆われていて、羊の群れも所々に見られました。山間にはまだ白い桜が残っていました。
 スコピエでは丁度「桜まつり」を見ることができました。本当は一週間前の予定だったらしいのですが、お天気のせいで、延びたようです。「桜まつり」というのは、「養心館」という道場を開いているケスコさんという方が、お弟子さんたちとの模範稽古を披露する催しです。「養心館」は、柔道、剣道、合気道、居合動の道場です。桜吹雪の舞う下で、一所懸命のデモンストレーションを見せてもらいました。全く文化の異なる国で、正座をはじめ、先生や祭壇に向かって礼をする作法などを指導されるのは、大変なご苦労があっただろうと思います。お弟子さんは小学生低学年くらいから、大人の人まで、男女さまざまでした。ドレッドヘアーの剣士なんて、きっと日本ではお目にかかれないことでしょう。

 



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